有資格者メッセージ

カウンセラー養成講座を卒業しカウンセラーの資格を取得した有資格者は、1000人を超えます。有資格者たちは、地域で、職場で、家庭で、みなそれぞれカウンセリングの学びを生かすとともに、スキルアップをはかっています。そうした現場からの声をご紹介します。

地域の人びとのお役に立ちたい(第14期生・新潟・男性)

カウンセラーの資格を取得した1年半後の、2004年10月のことです。中越地方をマグニチュード6.8の地震が襲いました。被害は死者68人、負傷者4800人、避難住民約10万人にも上りました。

大きな地震のとき、欠かせないのは被災者の精神的ケアです。よみがえる地震の恐怖や家族・友人の死によるショックから、不眠症や食欲不振症などに陥る被災者が少なくありません。また、高齢者は、家屋や田畑などの貴重な財産の損害にショックを受け、将来を絶望するケースがあります。

「ひとりでも多くの被災者の力になりたい」。私は、震災後まもなく近隣の被災者のお宅を個別訪問し、カウンセリングを行いました。みなさん初めは私の突然の訪問に戸惑っていましたが、趣旨を伝え状況を伺うと、窮状をいろいろ話してくださいました。眠れない悩みや今後の生活の不安など、みな深刻。私はそれをただ傾聴させていただくだけでしたが、被災者の方々は話を終えると、こころに溜まっていた重苦しさを吐き出せて楽になったのか、ほっとした表情をされていました。約1年半にわたり200軒くらいのお宅を訪問。それはまた、私のカウンセリング活動の貴重な勉強の機会にもなりました。

その後、私は教会を移りましたが、教会に所属するカウンセラー6人ともに教会内に設けているカウンセリング相談室「ほっとルーム」に取り組み、2009年5月には「ほっとルーム」分室まで開設することができ、月2回、悩みや不安をかかえる人びとのこころの健康相談にのっています。これからもさらに経験を積み重ね、地域の人びとのお役に立てるよう、真剣勝負でカウンセリングに取り組んでいます。

人とのふれあいに欠かせない傾聴(第11期生・広島・女性)

私は1993年4月、カウンセラー養成講座受講と時を同じく支部長という大役を拝命しました。支部長の役割は、釈尊の教えの素晴らしさに目覚めていただけるよう、人びとを指導すること。そのように思っていた私は、主任さんをはじめ信者さん方とふれあうと、ついつい一方的にしゃべり、相手の欠点を指摘し、こころを改めるよう促していました。そんな接し方に対し、ある主任さんから「もう支部長さんにはついていけません」と不満をぶつけられたこともありました。

カウンセラー養成講座3年のスーパービジョンで私のこころのクセを指摘されたのは、ちょうどそのころです。「自分の考えを押しつけていますね」「そんな応対では、クライエントが行き詰まりますよ」。スーパーバイザーの先生から次々と指摘されても、初め私は納得できませんでした。しかし、自分の対応をふりかえってみると、自分ではクライエントの話をきちんと聴いているつもりでも、問題の解決を示唆するアドバイスをしている場合が多々あるではありませんか。目からウロコが落ちるように、みずからの至らなさに気づかせていただきました。

以来、カウンセリングにおいても支部長のお役においても、私は「相手の話をしっかり聴ける自分にならなければ...」と傾聴を心がけました。2005年に支部長のお役を退任するまでの12年間の長きにわたって、支部の方々とこころの交流をはかりながらご法精進させていただくことができたのは、カウンセラー養成講座で人さまとふれあうときの大切な姿勢を学ばせていただいたおかげさまです。いまも私は、カウンセリング活動において傾聴を肝に銘じています。

2つの宝物をこころの支えに(第16期生・神戸・男性)

私には宝物が2つあります。

1つは、カウンセラー養成講座の第16期生たち。机を並べ、寝食を共にした仲は、強い友情の絆で結ばれるもの。受講中途で道を断念せざるをえなかった人も含め、同期生50人とは受講時から今日に至るまで電話や手紙やメールでしばしば情報交換や相談をしあっています。

その内容は、地元におけるカウンセラーの少なさ、先輩カウンセラーと活動をすすめるうえでの考え方のギャップ、ご法活動での救いのむずかしさなど、さまざま。最年長で、しかも同期の委員長を4年間務めさせていただいたからか、みなさん、とても頼りにしてくださいます。私もうれしくてついつい身が入り、返信も頻繁になってしまいます。

卒業後、そうした交流のなかから有資格者たちが参集し、年1回1泊2日で同期研修会を開くようになりました。参加者は12~15人。佼成カウンセリング研究所から講師を招来し、真剣かつ楽しくスキルアップをはかっています。

もう1つは、お年寄り。私は、かつて仕事をとおしてお年寄りとふれあう機会が多く、生き方の大切なヒントをいろいろと教えていただきました。人生の荒波を乗り越え、経験に基づく知恵をいっぱい有している大先輩たちは、私にとってまさに宝物といえます。

そんな親しみの念から、所属する教会のお年寄りたちに活躍の場を用意してさしあげたいと組織的な会をつくったり、看護師をしている会員とともに健康相談会を開いたりなどしています。現在、月2回行っているカウンセリングも、相談者がお年寄りなのはそんなご縁からでしょうか。

私はこのような宝物をこころの支えに近い将来、県内の有資格者たちとネットワークを築いてカウンセリング相談室を開設したいと思っています。いまの自分があるのも、地域の人びとのおかげさま。少しでも恩返しになればと願うからです。

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