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白石大介教授

「佼成カウンセラー」に期待

武庫川女子大学名誉教授
白石大介 (佼成カウンセラー養成講座講師)

現代社会の抱えるさまざまな問題、また連日報道される不幸なニュースなどを考えたとき、「孤立化」がキーワードとして浮かび上がります。地域、家庭でのコミュニケーションが希薄になり、本来ならば密に理解し合い、支え合うはずの関係に空洞が生じているのです。そうした意味で、どのような人もそのままに受け止め、「信じ、許し、待つ」ことのできるカウンセラーが非常に必要とされています。同時に私は、立正佼成会の持つネットワーク、また皆さんが取り組む人と人とをつなぐさまざまな活動に大いに期待を寄せる一人であります。

カウンセリング研究所の「カウンセラー養成講座」に講師としてお招き頂き、受講生はもちろん卒業生とも長くお付き合いさせて頂いておりますが、たびたび感心させられるのは学びたいという皆さんの情熱、またそれまで歩んできた人生や経験という”宝”を活かそうという姿勢です。常々申し上げていることですが、身体と心が癒やされるためには、まず魂の癒やしが必要です。現在、皆さんがさまざまな場で活躍されているのは、それぞれ大乗仏教という魂、スピリチュアルな基盤を持っているからであり、それを惜しみなく他者へ与えることを願われてのことでしょう。カウンセリングの技術だけではない、ある意味で普遍的な精神性、それに加えての個々の努力のなせる業と感じているところです。

近年、地域社会に人々の心の、また形の上での依りどころが減少しています。他者に対して関心を持たず、個の興味だけを追求する人が増えていることも指摘されています。孤立する人をつくらないためにもカウンセラーの皆さん、また佼成会の信者の皆さんには、自ら外に出かけて多くの人と出会い、会話し、さまざまに発信されるメッセージを受け止め、あるいは聞ききり寄り添ってくださるようお願いいたします。

同時に、個々の問題に向き合う上で、問題そのものを深く見つめるミクロの視点を持ちながら、問題が生じる社会全体の様相を広く見つめるマクロの視点を大切にして頂き、よりよい社会づくりのために一層力を発揮してくださることを期待しています。